INTERVIEW

アイチケットを利用している
ドクターの声を紹介します

  1. HOME
  2. インタビュー
  3. 進捗状況がわかるのは 心理的な面でもメリットが多い

こやの皮フ科
古谷野 妙子先生

進捗状況がわかるのは 心理的な面でもメリットが多い

こやの皮フ科 (千葉) 皮膚科
インタビュー時ver. iTICKET plus/導入年月 2004年7月/運用形態 1診制
アイチケットのシステムを導入されたきっかけは?
医師向けの雑誌でアイチケットを導入していた医院(ももだ耳鼻咽喉科)の事例紹介を読み、直感的に“これしかない”と思いました。その後HPなどで詳細を調べ、ほかのシステムと比較検討することもなく導入を決めました。

開業後2年間は予約に関するシステムなどは導入しておらず、「あと何分待ったら名前を呼ばれる?」といった質問があとを絶ちませんでした。その際、待っている人数を答えることはできても時間については明確に答えることができなかったため、例えば、受付終了間際に来られた患者さんに「あと1時間くらいかかります」と目安を答えても、実際患者さんが戻られたときには診療が終了していたり、逆に1時間と言われたのに2時間待たされたといったケースもありました。そういった待ち時間に対するクレームは多かったです。
予約システムにおいて「順番予約」を選択された理由は?
開業前の約10年半、勤務医として総合病院の皮膚科に勤めていました。そのときは時間予約制で、スタッフが直接来院の予約と電話での予約を手動で入力していました。予約制ではありましたが、時間がズレていくため、管理が大変そうでした。夕方4時から5時の1時間にかぎって電話での予約受付を行い、その1時間の間、スタッフは電話の前で座っていなければならず、医療機器の洗浄をしながら電話対応に追われているようでした。一方、患者さん側からは予約をとるのに電話をかけても話中だったということでのクレームや、かける側が時間をずらして電話をしたときには、もう予約受付時間がおわって電話が通じなくなったなどのトラブルもありました。

皮膚科は急性疾患が多く、季節変動もあります。一度来院されれば治ってしまうというケースも多いため、時間予約制はそぐわないと思っていました。また、一度の治療で治ってしまう場合が多いため、次回の予約を入れる必要もありません。予約の最新状況を誰が管理する?と考えたとき、電話の問い合わせ対応や予約入力の手間ひまを考えたら、順番予約制を導入するのが適当と考えました。
アイチケットを選択した決め手は何ですか?
導入にあたっては、唯一比較対象するものとして、開業当初から使っていた電子カルテのオプションとしての予約受付機能がありました。電子カルテとの連動を考えるなら、自動電話予約受付のオプションをとりつけることも可能だったのです。それは専用予約回線が必要な自動音声応 答システムで、患者さんが自宅から電話予約をすると電子カルテに自動的に予約が入るというものでした。カルテは1年先に開業していた耳鼻科の先生に勧められて購入し、オプション機能についても利用を勧められましたが、自動応答システムについては実際の運用状況を見てもピンとくるものがなかったのです。

時間予約にはズレもあり、キャンセルもありえます。しかし順番予約であれば順番自体に嘘はなく、患者さんには事実のみを情報発信する方がよいと思いました。まず、患者さんが納得してもらえるものという理由でアイチケットの導入を即決したのです。

決め手としてコストの問題もありました。先の自動音声システムは価格が高く、それに比較したらアイチケットは導入コスト、ランニングコストともにリーズナブルだと思いました。また、操作がシンプルだったことですね。スタッフについてもマウスひとつで簡単に操作できることがよいと思いました。通常、キーボードは机の下にしまいこみ、机上はマウスだけのすっきりした状態にしています。
アイチケットの反応などはいかがですか?
小さい子供をもつお母さんは携帯予約についての問題はまったくなく、中学生、高校生についても自分で予約をするため、導入当時から特にトラブルもなく進めることができました。お年寄りの場合はお孫さんに携帯から予約をとってもらったというケースが多いようです。

アイチケット導入に際しては、導入前より張り紙をはって周知しました。導入当時は夏休みに入っていちばん忙しい時期でしたが、流れはスムーズでした。アイチケット導入前は、冬の時期は1時間待ち、夏は2時間待ちが当たり前でした。今でもやはり土曜日は2時間待ちになることが多いのですが、立地が駅前なので、近くのスーパーなどで時間をつぶしてもらうことが可能になり ました。あと、医院に出入りする業者さんが診療終了と同時にスッとあらわれるのが不思議でしたが、業者の方々も医院の混み具合を外から携帯でチェックしているようですね。
実際の医院での運用方法について教えてください
はじめての患者さんに「待合室での待ち時間短縮のために…」という紙を渡し、オンラインの予約説明をしています。なかにはやはりどうしても電話が好き、電話で確認しないと気がすまないという人はいますから、オンライン受付についてはタイムラグをつけています。平日は医院の受付開始15分後、休日は30分後にオンライン受付を開始し、オンライン受付前は直接来院された方 や電話での受付を優先しています。診療をしながら順番をすすめ、時間が遅れた方の呼び出しもすべて診療室からコントロールしています。
導入後のメリットは何ですか?
患者さんのイライラの軽減とスタッフの患者対応に余裕ができたこと。何より進捗状況がわかるというのはいいですね。どれくらいまで進んでいるのかというのがわかるというのは心理的な面でもメリットが多いと思います。スタッフについても、順番に関する問い合わせで質問攻めになってしまうと目の前にある業務に手がつけられなくなりますが、そういったこともなくなりました。また、導入前には診療のドアをあけた瞬間にイライラした状態で入ってくる患者さんや「こんなに待たされるなんて」と開口一番にクレームをいう患者さんもいました。そういう状況は診療以前の問題として解決すべきことであったと思います。また、導入前は待合室にすわれないということもあり、計5台までの駐車場もいっぱいでした。駅前のため、駐車できない場合はコインパーキングを使用してもらっていました。待ち時間が長くなれば駐車料金も高くなりますよね。様々な面で導入効果はあったと感じています。
順番予約に遅れてくる患者さんについてはどのように対処していますか?
順番に遅れてくる患者さんにはペナルティをつけています。システムを理解してもらわなければ「予約制」ではなくなるので、遅刻をしたらご自身の責任ということで患者さんには遅れて到着した時刻から30分間待ってもらいます。順番予約のオンライン受付をされた方には電子カルテの備考欄にOL(オンライン)と発券番号を記入し、患者さんが遅れた場合はその到着時刻を記入しておきます。それをもとに診療状況をみながら30分以内に呼び出しをかけるというシステムをとっています。待ち時間が30分もかからない場合は、番号順のなかで順番があいた時点で呼び出しをかけます。医療機関はサービス機関の一つでもあるけれど、患者教育という点でペナルティをいれることは妥当だと考えています。
呼び出し機能の利用状況について教えてください
2006年の11月頃から自動音声呼び出しをつけました。順番が進むたびに「○番のかた、お入りください」といった呼び出しを行うシステムです。待合室の外には中で座りきれない患者さんやお子さん連れの方のためにイスを用意してありましたが、自動音声をとりつけるまではドアをガラっとあけて、スタッフが呼び出しを行っていました。そういったタイムラグも自動音声をとりつけることで軽減されましたね。また、去年4月に個人情報保護法が施行されたこともあり、お名前で呼ぶよりも番号で呼ぶほうが法律のもとではより適していると思いますね。
映像システムについてはいかがですか
映像システムも非常によくできていると思います。例えば診察の前には化粧をひかえめにしてくださいという番組がありますよね。診療時にお渡しする紙にもお化粧については触れていますが、映像があるとなお、伝えやすいと思います。休診のお知らせなどにも利用できて便利ですね。
今後アイチケットに望むことがあれば教えてください
多機能にすると操作性が複雑になり、ボタンがふえて不具合がふえる可能性も高くなると思います。現行のユーザが満足している最大公約数のみの機能を維持してもらえればよいとおもいます。パソコンを使う人はいちいち電話を使わないでしょう。電話で質問される内容の9割はパソコンを見てもらえばほとんどわかること。シンプルにオンラインの順番予約機能を維持していってもらいたいです。あとは、自動音声で順番を飛ばすときに、医院にいない人の番号も呼んでしまうので、そこがスキップされるようになれば、なおよいですね。
最後に何かメッセージがありましたら、お願いいたします
顧客満足、患者さんが満足するようなノウハウは働いている人にとっても、医師にとっても満足いくものだと思います。患者の数は開院して徐々に増えているため、アイチケットを導入したから患者が増えたということではないと思いますが、患者さんからみると、2時間待ちなら行きたくないと思う人についても、待ち状況がわかれば来院に対する敷居が低くなるというメリットはあるかもしれませんね。

以前、お友達にアイチケットを紹介したことがあります。茨城の患者数の高いクリニックでした。そこの息子さんが患者さんとして医院に来られたときにアイチケットのシステムを理解し、「お母さん、あんなにいいものはないから導入してみたら」と自分の母親にすすめ、導入を決めたという話も聞きました。

桃田先生(ももだ耳鼻咽喉科)の記事をみて直感で決めた通りのメリットはあったと思います。もしかしたらそれ以上に良かったかもしれません。こういった予約システムはもっと導入が広まればよいのに、と思います。自分が患者だったら、逆に入れてほしいと思いますね。