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クリニック予約のヒント(6)予約のキャンセル

クリニック予約の
疑問に答えるシリーズ

シリーズ「クリニック予約のヒント」では、予約システムに関する質問・疑問に対して端的に回答していきます。

6回目となる今回はこちら

Q:予約のキャンセルが入った場合、どのように対応すれば良いですか?

では、参ります。

順番予約でのキャンセル

まずは順番予約でのキャンセルについて考えてみましょう。

順番予約では通常、発行した番号が「順番」として扱われます。つまり、本来であれば1人分のキャンセルが入った場合、「キャンセルされた番号より後ろ」の患者様は、「1つ分順番が繰り上がる」ことになります。しかしながら、キャンセルが入る度に番号を附番しなおすことはありません。なぜならば、「一度もらった番号が途中で変わるかもしれない」という状態では、患者様は安心して待ち時間を過ごせません。クリニック様側も、キャンセルが入るたびに番号と個人の関連付けをし直すことは、運用効率的に現実的ではありません。つまり、キャンセルが入ったとしても、一度附番した番号を途中で変更することはありません。

さて、番号自体が変更されることはございませんが、「キャンセル患者の番号」に関しては、システム上2つの扱い方が考えられます。

A.キャンセルされた番号を抜き出して、欠番とする。
B.システム上は何も手を加えない。

「A」の場合、「キャンセルになったこと」がシステム上明確に示されますので、いくつかの部分で見え方が変わって参ります。例えば待ち人数や目安時間は1人分マイナスでカウントされ、番号を進めた際には自動的に飛ばして次の番号に進みます。

「B」の場合、当然ながらシステム上は何も変わりませんので、スタッフ様側でキャンセルの番号を把握しておき、該当の番号に差し掛かった際には手動で次の番号に進めます。

「A」と「B」のどちらが一般的か

さて、この「A」と「B」では、どちらが一般的な対応となるでしょうか?

システムに詳しくない方の多くは「A」とお答えになられるかと存じますが、実は「B」がより一般的でございます。確かに「A」の方が、より現状に近い内容を表現しております。キャンセルの患者様が1人いれば、その分後ろの患者様が呼ばれる時間も早くなりますので、「抜き出して欠番とする」処理を加えた方が、「正しい扱い」のように思えます。

しかし、「患者様からの見え方」を優先して考えると、「B」の方が分かりやすく映ります。例えば、最後に並んだ患者様が「20番」の番号をもらい、現在番号が「10番」だった場合、直感的に「自分は10番先」つまり「10人待っている」と考えるのが自然な感覚かと存じます。その際に表示される待ち人数が「7人」であれば、多くの方は「なるほど。つまり、キャンセルが3人いるのだな」とは、なかなか思えないものです。この感覚とのズレは「順番予約では番号が順番である」という、シンプルで直感的な基本のルールを疑う材料になってしまいます。

やや極端な表現ではございますが、そもそも多くのクリニック様において、順番予約の「目安時間」や「待ち人数」とは、「患者様が安心して待っていただくための、根拠となる材料」に過ぎません。実際には、予約診療の方が間に入ったり、急患の方を先に回したり、といったイレギュラーを含みますので、「正確であること」にこだわることは、それ程重要ではありません。

従って、順番予約ではシステム上「見た目の自然さ」を優先し、キャンセル処理は「スタッフ様の裁量に任せた手動の処理」を実施する「B」の扱いをすることが多いのです。

順番予約キャンセルの注意点

ただし、順番予約のキャンセルに関しましては、数が多いと患者様にとって待ちにくい状況となりますので、注意が必要です。キャンセル部分で番号が急に進み、「順番に間に合わない患者様」が多発致します。これは「A」の場合も「B」の場合も同様です。

そもそも、順番予約において「キャンセルが多発する」という状態は決して健全ではありませんので、多くの患者様が待ちやすい環境を提供するために、まずはキャンセルのハードルを高める必要がございます。

例えば「患者様への周知活動を見直す」「WEB上でのキャンセルを受け付けないように設定を変更する」などの点が挙げられますが、システム利用中万が一このような状態に陥った際は、慌てず、専門家である我々にお任せいただくのが得策かと存じます。早い段階でお知らせいただければ、様々な打ち手をご提案させていただける可能性がございますので、お早めに遠慮なくご相談くださいませ。

時間帯予約のキャンセル

時間帯予約の場合は、順番予約に比べキャンセルを受けやすい状況が多いかと存じます。例えば、予約を受け付ける期間も、順番予約のほとんどが当日のみであるのに対して、時間帯予約の場合は未来の予約も含むことが多くございます。「予約した順番」ではなく「予約の時間帯」が基準となりますので、順番予約のように欠番の影響を考慮する必要性もございません。

時間帯予約のキャンセルでまず考えるべきは「どれくらい前までのキャンセルであれば、許容できるか」という点でございます。例えば「ワクチンを発注する期限」などと関連して、前日までなのか、2日前までなのか、あるいはもっと前でなければ許容できないのか、といった点を考慮し「キャンセル期限」を設定致します。

キャンセル期限までの間は、できるだけスムーズにキャンセルできる状態を目指すのが宜しいかと存じます。空いた枠は別の方に即解放されますので「キャンセルするならば許容範囲の中で速やかに」、逆に「許容しにくいタイミングではキャンセルのハードルを高めておく」といった状態に調整いたします。

しかし、キャンセルと言えば、コロナワクチンの予約が始まった際に、複数施設で予約をしておきキャンセルの連絡を直前にするような心無い方々も居たようですが、そのような事が起こらないように徹底したルールの告知や周知も重要でございますし、そのためにはやはりポスターやネットでのお知らせを始めとして、、

失礼しました。

やや長くなりましたので、本日のまとめに入りましょう。

Summary(まとめ)

  • 順番予約では、見かけ上のわかりやすさが大事。
  • 見かけ上のわかりやすさ優先で考えると、順番予約のキャンセル処理はシステム上実施しない方が良い。
  • キャンセルが多いと待ちにくくなるので、順番予約ではキャンセルが発生しにくい状態に保つことが重要。
  • 時間帯予約では、許容範囲を境にしてハードルの高さを変えるように設定する。

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