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時間帯予約のトリセツ⑤~CASE3.順番制細分化タイプの場合(前編)~

~前回までのおさらい~

5回目となりました「時間帯予約のトリセツ」シリーズ、今回は<順番制細分化タイプ>解説の前編です。時間帯予約の解説を順を追って説明していますので、前回までの記事を未読の方は先にそちらをご覧ください。

⇒シリーズ第1回 時間帯予約のトリセツ①~導入目的と4タイプへの分類~
⇒シリーズ第2回 時間帯予約のトリセツ②~CASE1.時間帯占有タイプの場合~
⇒シリーズ第3回 時間帯予約のトリセツ③~CASE2.時間帯シェアタイプの場合(前編)~
⇒シリーズ第4回 時間帯予約のトリセツ④~CASE2.時間帯シェアタイプの場合(後編)~

改めまして、<順番制細分化タイプ>の時間帯予約とは以下のような方法を指します。

<順番制細分化タイプ>
<時間帯シェアタイプ>同様、1つの枠中で複数人に対する診療行為を前提とした予約の取り方。1枠1時間など、<時間帯シェアタイプ>よりも1枠の時間を長めに取るのが特徴。予約した上で長い時間待たせる可能性があるので、時間帯ごとの順番を割り振って番号券を渡すなど、<順番予約>的な要素が組み合わされる。順番予約の[午前][午後]といった大きな枠組みを細分化したような方法。

~<順番制細分化タイプ>時間帯予約と順番予約~

「時間帯予約なのに、順番制細分化?」と思った方も多いかもしれませんが、間違いではありません。「時間帯予約」なのに、「順番制」という言葉を使うのです。

<順番制細分化タイプ>の話に入る前に、<時間帯予約>と<順番予約>の関係性についてもう一度考えてみましょう。

そもそも<順番予約>とは、

<順番予約>・・・あらかじめ順番を約束することで、「あとどれくらいで呼ばれるのか?」という目安を患者さんに伝える受付方法。

そして<時間帯予約>とは、

<時間帯予約>・・・あらかじめ時間帯を約束することで、患者さんを待たせないようにする受付方法。

厳密に突き詰めると解釈には幅があると思いますが、だいたいこのような理解が一般的だと思います。予約方式の関係性と言っても、この2つは全然違うことを約束しているので、イメージ的には「まったく別のもの」とか「混ざらないもの」と考える方が多いと思います。

~<順番制細分化タイプ>順番予約はいつの予約?~

「順番予約と時間帯予約を併用している」というような場合、それぞれの予約をごちゃ混ぜにして考えるのは良い結果を招きませんから、患者に対する接し方としては「まったく別のもの」と言って差し支えないと思います。現実的には混ぜてしまい、「順番予約だけど、戻ってくる時間を受付スタッフが明言してしまって患者さんと揉めた」とか、「時間帯予約で予約しても当日に番号券を渡して、予約した時間帯は無視してしまっている」といった光景も見かけるのですが、これらは「約束を守る」というルールを前提にできていないので、今回はあえて無視して話を進めます。

さて、「順番予約」が「順番を約束する」というのは良いとして、「いつの順番か?」という点をもう少し具体的に見てみましょう。これは多くの場合、「当日の順番」です。もっと細かく言うと「当日の午前(または午後)の順番」です(午後が午前の続きの番号からスタートするのであれば「その日、1日の中の順番」です)。受付時間はクリニックによって違いますが、午前ならば例えば「9時から12時までの順番」ということになります。仮に一旦ここでは「9時から12時」を「午前の診察時間」として考えを進めてみましょう。
「混雑のために時間を過ぎてしまう」、といった状況を一旦除外してみると「順番予約」を実施しているクリニックで「午前の診察時間」に来院した患者さんは、通常「午前中」に診察が終わります。つまり、「9時から12時までの間に来た人」は「9時から12時に相手をする」ということを「暗黙のうちに約束している」ということになります。これは言い方を変えると「当日」の「午前中3時間」という幅を持たせた「時間帯を約束している」ということになります。

~<順番制細分化タイプ>時間帯予約は未来の予約に限られるのか?~

「いや、ちょっと待って、時間帯予約は未来でしょ?順番予約は当日だけでしょ?」と思った方もいるかもしれませんが、実はここが「順番予約」と「時間帯予約」の関係性を分かりにくくさせているポイントでもありますので、そちらも丁寧に見ていきます。

確かに「時間帯予約」では「未来の日時を予約できるようにする」ことが多いのですが、「当日の予約」を受け付けることもあります。前回の「時間帯シェアタイプ」の時に出て来た、「当日来た人も、空いている枠に当てはめる」というやり方は「当日予約」で「時間帯予約」をしていることと同じです。「当日予約を受けるか否か」というのは目的や条件に応じて選択する部分なので、極端な話「当日予約しかない時間帯予約」というのもあります。つまり「未来の予約か、当日の予約か」というのは「順番予約」か「時間帯予約」か、という話と直接的には関係ありません。それぞれが持っている特性とシチュエーションから、「順番予約は当日のみ、時間帯予約は未来の予約ができる」という条件とセットで選ばれやすいだけなのです。

~<順番制細分化タイプ>順番予約は時間帯予約の仲間~

このように考えると、順番予約とは「時間を明確に意識されないくらい、1枠の幅を広めに設定した時間帯」と「その時間帯における順番」を同時に約束するものだという事になります。すると初めに見た「順番予約」と「時間帯予約」の扱いが「まったく別のもの」という話も少し違った見え方をしてきます。つまり「順番予約と時間帯予約がまったく別のものだから混ぜられない」のではなく、「約束している時間の幅が違うから、まったく別のものとして扱わざるを得ない」ということです。具体的な言い方をすれば「9時から12時という3時間の幅で約束している人」と、「10時から10時半の30分の幅で約束している人」を、「同列に考えるのは無理がある」ために、「運用上は混ぜない方が良い」というだけのことなのです。

では、そもそもの話「順番予約」と「時間帯予約」の関係性はどのような位置関係かといいますと、こうなります。

この図は「順番予約は、時間帯予約の一種である」ということを表しています。元々「順番予約」と「時間帯予約」を、相反する別々のものと見ていた方にとっては、なかなか衝撃的な図ではないでしょうか。「順番予約」と「時間帯予約」という2つがあると常々言っておきながら、実は「大きな括りで見ると、時間帯予約しかなかった」という話になります。

~<順番制細分化タイプ>順番予約とあえて呼ぶ意味~

ただし、「順番予約」という言葉は「順番予約を使う一定のシチュエーションとセットでイメージしやすい」ことから便宜上「時間帯予約」と対立項のように扱うことが多いですし、「時間に対する意識を薄める」ことが重要な命題になる時点でかなり独特ではあります。「予約という言葉が持つ、時間に対する期待感の高まり」を打ち消すためには、「順番予約」「時間帯予約」と並べて考える方がわかりやすい状況も多いと思います。それでも、このような切り分けの話を持ち出したのは、「時間帯予約というのは、グラデーションの付け方でまったく別のものに見える程、幅の広い予約の概念である」ということを理解しておかないと、「時間帯予約」を深く理解し、的確な選択をすることができないためです。

果たして、ようやくスタート地点に立った格好となります。

「時間帯予約」という予約方式の分類から徐々に話を広げて来ましたが、今回の「順番制細分化タイプ」に至っては「順番予約の一種」と言っても過言ではない程、かなり「順番」を意識した領域に踏みこんでいます。しかし、「時間を意識する」部分が強く残っている以上、それは「順番予約の延長」と考えるより「時間帯予約の一種」と捉える方が理解しやすいと思います。

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