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時間帯予約のトリセツ⑧~CASE4.順番制拡張タイプの場合~

~前回までのおさらい~

8回目となりました「時間帯予約のトリセツ」シリーズ、今回は<順番制拡張タイプ>について解説していきます。時間帯予約の解説を少しずつ説明していますので、前回までの記事を未読の方は先にそちらをご覧ください。

⇒シリーズ第1回 時間帯予約のトリセツ①~導入目的と4タイプへの分類~
⇒シリーズ第2回 時間帯予約のトリセツ②~CASE1.時間帯占有タイプの場合~
⇒シリーズ第3回 時間帯予約のトリセツ③~CASE2.時間帯シェアタイプの場合(前編)~
⇒シリーズ第4回 時間帯予約のトリセツ④~CASE2.時間帯シェアタイプの場合(後編)~
⇒シリーズ第5回 時間帯予約のトリセツ⑤~CASE3.順番制細分化タイプの場合(前編)~
⇒シリーズ第6回 時間帯予約のトリセツ⑥~CASE3.順番制細分化タイプの場合(中編)~
⇒シリーズ第7回 時間帯予約のトリセツ⑦~CASE3.順番制細分化タイプの場合(後編)~

改めまして、<順番制拡張タイプ>の時間帯予約とは以下のような方法を指します。

<順番制拡張タイプ>
<時間帯シェアタイプ>や<順番制細分化タイプ>同様、1つの枠中で複数人に対する診療行為を前提とした予約の取り方。1枠を[午前][午後]あるいは一日を通した大きな枠組みで捉えてしまうのが特徴。<順番制細分化タイプ>よりも更に枠が広いため、順番を割り振って番号券を渡すなど順番予約的な要素がより強く求められる。当日の運用自体は、<順番予約>とほぼ同じ。

~<順番制拡張タイプ>来院タイミングはいつ?~

まず押さえておきたいのは「予約/予約外」の扱いです。特に「約束せずに直接来た人」をどう扱うべきでしょうか。

これまで見てきた3つのタイプ<時間帯占有タイプ><時間帯シェアタイプ><順番制細分化タイプ>では、「予約外は予約とは切り離して別で考える/予約枠のどこかにあてはめる」というどちらのケースもありました。<時間帯シェアタイプ><順番制細分化タイプ>では「分散化」を強く意識していましたので、

・全員を予約枠に当てはめる。
・予約枠が始まる直前に、その枠の予約者を集合させる。

というのがオーソドックスな方法でした。

<順番制拡張タイプ>では「午前」または「午後」が一括りですので、もしも「予約枠が始まる前に集合する」ということになると、「予約外」の人は「一旦お断りしてお帰りいただく」といった状況を招き、実質予約外を認めない「完全予約制」ということになります。また、仮に「午前」または「午後」の予約者全員を一度に集めるとそれは密な状況が予想されますので、分散化の効果も疑わしいものです。「一つ一つの診療行為に長時間かかる」「予約をしていないと対応できない」という状況であれば絶対にないとは言い切れませんが、かなり特殊な状況と言って良いでしょう。

~<順番制拡張タイプ>予約外も予約患者と同様に扱う~

つまり、<順番制拡張タイプ>とは「予約枠が始まる前に集まる方法ではなく、予約枠の間で来院する方法」ということになります。

これは、「午前中(または午後中)どのタイミングで来ても良い」ということを意味しますので、「予約者に向けての事前準備」は、それほど必要ないことが予想されます。事前の準備が必要ないのであれば「予約外」の人を分ける必要はありません。前提条件の1つである「番号券による目安」を中心に考えてみても、「約束せずに直接来た人」が間に割り込むのでは目安が分かりにくくなってしまいますし、分ける理由がないのであれば番号券によるメリットを与える方が良いでしょう。つまり<順番制拡張タイプ>では、「予約外の人も、予約した人と同様に扱う」ということになります。

~<順番制拡張タイプ>何のために取り入れるのか?

つまり、<順番制拡張タイプ>は<順番予約>とほぼ同じやり方で、「事前の予約をするか否か」という点が違うだけということになります。では、「何を目的として」事前に患者・クリニック間で約束を交わすのでしょうか?

一般的なクリニック・診療所での予約を広く考えてみますと、その種類は以下の大きく2つにわけることができます。

・「事前の準備が必要」「対応する機器や技師のリソースが限られている」など、「必要に駆られた予約」。
・「患者の分散化」「再来率の向上」を目的とする場合などの、「予約自体が無くても成立はするが、何かプラスになる効果を期待した予約」。

<順番制拡張タイプ>は先ほどの通り「予約者に向けての事前準備」がそれほど必要ないことから、後者の「予約自体が無くても成立はする」内容が中心であることがわかります。後者の中でも、「患者の分散化」に関しては他の予約方法と比べて特に来院タイミングの分散効果は強力ではないことから、主な目的とは考えにくいように感じます。残る「再来率の向上」という話は、集患や増患を考える上で出やすい話で、要は「リピート率を上げて」来院患者数の増加につなげるという考え方です。

~<順番制拡張タイプ>再来率の向上を狙った<順番予約>~

再来率を上げるためには、まず「次回の予約」を約束することが重要です。この時、あまり考えずに「予約」を取ると「日時を決めて予約する」ことになりますが、これは「スポットで予約を取り入れる時間帯予約」つまり<時間帯占有タイプ>の予約方式になっています。<時間帯占有タイプ>の予約方式は、一般的に予約外の患者さんがいるので、予約患者が増えすぎると一部の患者さんを長時間待たせる原因になります。しかし「再来率の向上」を考える上ではできるだけターゲットを広く取りたいところですので、予約の数は減らしたくありません。そこで間を取り「日時を決めた予約」という前提を「時間は決めずに、日にちだけで約束をする」と変えて予約を取るというのが、多くの<順番制拡張タイプ>の背景にある目的です。

予約を受け付けた以上、患者さんとしては「待たされる」のであれば、「当日、何も待つための工夫がされていない」という状態ではさすがに納得しにくいので、そこに「<順番予約>の待ちやすさ」を付け加えたのが、すなわち<順番制拡張タイプ>ということになります。つまり<順番予約>に<時間帯予約>の持つ「次回予約の引力」をプラスしたのが<順番制拡張タイプ>なのです。

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