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時間帯予約のトリセツ⑪~事例紹介その2~

~前回までのおさらい~

~事例紹介その2「B小児科」の場合~

「B小児科」でも、元々順番予約を実施していましたが、新型コロナウィルス感染症対策のために、時間帯予約に切り替えました。こちらも<時間帯シェアタイプ>での運用ですが、やはり特徴的なポイントがいくつかあります。

~「B小児科」の特徴的なポイント①1枠あたりの長さと人数~

まず「B小児科」において特徴的なのが、<時間帯シェアタイプ>を活用しながら「1枠あたりの時間は15分」かつ「1枠あたりの人数は6人」という設定、つまり一般的な時間帯シェアタイプに比べて「1枠あたりを短い時間」で、設定していることです。

これには「診察スピードの速さ」が大きく関係しています。

検査の都合なども含めると、診療所では1人あたりの診察時間にはどうしてもバラつきが出ます。これは「B小児科」でも同様ですが、「B小児科」ではドクターの対応が迅速なだけでなく、スタッフ間の連携や、効率化のために患者の動きも細かい部分まで明確な指示がなされていることから、平均して1人あたりにかかる時間を2分程度に抑えることに成功しています。

<時間帯シェアタイプ>では「1枠30分」程度が一般的ですが、この設定にしてしまうと「1枠あたりの人数」が増えすぎてしまい、院内が密な状況になってしまうことから「B小児科」では「1枠15分」としました。また、「回転の速さに起因した、時間枠の短縮」ですので、「1枠あたりの人数」を減らすことなく、一般的な時間帯シェアタイプで1枠に入れるのに近い人数の「6人」を受け入れています。

検査が重なって多少後ろの時間枠に影響することはあるようですが、今のところ明確な患者からの不満は出ていません。

~「B小児科」の特徴的なポイント②電話連絡による入れ替え制~

「B小児科」において、患者・スタッフそれぞれの動きが効率的であることは、下記のような手順からも感じられます。

  1. 患者(基本的に急患以外の全員)は事前にインターネットで予約を取る。
  2. 予約時間が近づくと、駐車場に待機。
  3. 駐車場に着いたところで、クリニックに電話をかけて到着したことを告げる。
  4. 受け入れる準備が出来たら、クリニックから患者に対して電話をかけ、中に誘導する。

駐車場から患者がクリニックに対して連絡をすることで、クリニック側は「次の枠の予約患者が揃った」ことを事前に確認できます。メンバーが揃い、クリニック側の受け入れ準備が整ったところで、電話によってそれぞれを院内に誘導します。「クリニックが連絡をした時に、患者がそれを確認できる状態にない」といったイレギュラーも発生しにくく、時間のロスを防げます。

このとき、さらに細かい工夫ですが、クリニックからは固定電話ではなく、予約システムの「電話呼び出し機能」を使って呼び出しをかけます。一般的な固定電話から電話をかける場合、用件だけでは済まずに通話時間が長くなってしまいがちです。予約システムの「電話呼び出し機能」を活用すると、クリニック側は架電操作のみで作業は完結し、相手にはコール専用の自動音声が届きますので、かかる時間は圧倒的に短くなります。

効率的なだけではなく、クリニックから連絡が入るまで患者は外(駐車場)に待機しますので、前の時間帯の患者との接触も最小限に留めることができます。「感染症対策と効率的な動きの両立」をスタッフ・患者が一丸となり、絶妙なバランスの中で実現しています。

また、オンライン問診の活用で事前に発熱の有無を確認できるようにしているため、発熱患者の場合は、患者から電話がかかって来た際に、直接隔離室に向かうよう指示を出します。発熱患者は隔離室で看護師が対応するため、一般の患者に対しての電話呼び出し操作は受付スタッフが実施するのに対し、発熱患者に対しての電話呼び出し操作は看護師が実施する、といった細かい操作の分担まで、明確にルールを定め、効率的な動きを実現しています。

~「B小児科」の特徴的なポイント③予約を受け付ける期間~

「A小児科」と同じく急性疾患の患者が多いことから、「B小児科」においても予防接種などを除く一般診療に関しては、前日以前からの「事前予約」をせず、「当日のみ」の予約に限定しています。

当日の診察は9:00に開始しますが、予約の開始は8:15から開始し、予約が埋まらなければ、各予約枠の15分前まで予約ができます。

どうしても、学校が終わる夕方の時間帯に人気が集中しやすくなってしまいますが、希望の時間に予約が埋まっている場合は、「別の日に改めて予約をする」か「他院での診療を促す」メッセージを、予約システムの機能を活用して周知しています。

~「B小児科」の特徴的なポイント④オンライン予約率の高さ~

「B小児科」は、100%に近いオンライン予約率を誇る、数少ないクリニックの1つです。感染症対策と効率化のために、「オンラインで予約を取ってからクリニックに行く」という原則を定着させることに成功しています。

これは、予約システムのメッセージ機能などを使い、明確かつはっきりとクリニックの主張を伝えていることと、スタッフからのルール説明が徹底されていることによるものです。

現在は、患者同士の口コミでも、「事前にオンラインで予約を取ることが推奨」という話が伝わっているため、新患含めほとんどの患者が、予約システムを通してオンライン予約をしてくる状況になっています。

~患者からの評価~

「B小児科」も、長年の<順番予約>を<時間帯シェアタイプ>へと運用を大きく変えましたが、患者からの評判はすこぶる好評とのことです。

特に、<順番予約>では「都合の良い、希望の時間帯」があったとしても、仕組み上それを叶えることは難しいのですが、<時間帯予約>では例えば「夕方の予約を朝に取る」といったことも可能になります。「ある程度時間に融通の利く方」もいれば、「仕事などの都合で、限られた特定の時間でなければ通院できない方」もいますので、特に後者の方々にとって<時間帯予約>は「以前より便利な予約方式」と感じられていることでしょう。

次回も、引き続き別のクリニックにおける事例紹介をいたします。

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